「広告のキーワードはどう設定するか」への答えはたいてい選定基準です。関連性があり、検索量があり、転換する。
どれも間違いではありませんが、それは SEO の選定基準です。広告にはもう一つ制約があります。勝てるかどうか。
ある語が関連し、量があり、出稿している人にとって転換もしている。それでも数百の出品者がすでに入札していて自分の転換率が平均なら、参入してもその語の平均単価を押し上げるだけになりがちです。
選ぶより先に三種類を外す
新しい語を掘る前に、手元の語からこの三つを取り除きます。
一、自然順位ですでに 1 ページ目にある語。
逆引きの各語は rankPosition と adPosition を持ちます。rankPosition.position がすでに高いのに広告も走っているなら、その支出は元から持っている位置を買っています。
必ず止めるべきとは限りません。上位語の防衛が正しい場合もあります。ただし理由のある判断であるべきです。その語が何件あるかを算出する方法はAmazon キーワード順位の監視にあります。
二、conversionType が I の語。
販売キーワード逆引きは語を四つに分類し、I は「無効露出語」—— 露出はあるが転換しない —— です。広告では純粋な支出になります。四分類それぞれの扱いはAmazon キーワードの最適化で扱っています。
三、自分で読んで違うと感じる語。 データはあなたの商品が実際に何かを知りません。検索量が大きく関連度スコアも低くないのに、検索した人が求めているのは自分の売り物ではないと分かることがあります。その判断を信じてください。どのフィールドより正確です。
勝てるかを決める四つのフィールド
キーワード発掘 API が返すフィールドのうち、競合の問いに答えるのはこの四つです。
| フィールド | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
products / adProducts | 商品数 / 広告競合数 | 両者の比が広告枠の混み具合 |
monopolyClickRate | クリック独占率 | 高い=少数の ASIN がクリックを取っている |
titleDensity | タイトル密度 | 高い=皆がその語をタイトルに入れている |
supplyDemandRatio | 供給需要比 | 需要に対する供給の倍率 |
一行目が最も見落とされ、最も役に立ちます。
ドキュメントの例では products が 1645、adProducts が 34 です。つまりその語には千六百を超える商品があり、広告を出しているのは 34 件だけ ——広告枠の競合密度はおよそ 2% です。
この比は「その語に商品が何件あるか」とは別物です。商品が非常に多く自然枠は取りにくい一方、出稿者は少なく広告枠は比較的空いている、ということがあり得ます。広告が最も割安になるのはまさにこの種の語で、検索量と商品数だけを見ていては決して浮かび上がりません。
monopolyClickRate が裏側を補います。出稿者が少なくても、クリックが少数の ASIN に独占されていれば新規参入は量を取りにくい。二つを併せて読みます。
titleDensity は自然枠の難易度を示します。タイトル密度が高く adProducts が低い語は「自然では入れないが買えば入れる」の典型で、そこはタイトル改善に三か月かけるより広告費を当てるべき場所です。
最初に試す価値のある組み合わせ
以上を重ねると、先に投下する価値のある一群が浮かびます。
検索量は中程度(上位語ではない)+
productsに対してadProductsが低い +purchaseRateが高い +bidの範囲が負担できる
特徴は、需要が実在し(購入がある)、競合がまだ流入しておらず(広告密度が低い)、価格も制御できること。この種の語は「人気キーワード」の類のリストにはまず載りません。リストは検索量順で並び、これらはちょうど中程度だからです。
bid、bidMin、bidMax が価格帯を示します。負担できるかは予算ではなく転換率で決まります。その点はAmazon 広告のキーワード入札で扱いました。
書き出してから絞るのではなく、条件で絞る
返却フィールドのほとんどに対応する min / max のリクエストパラメータがあるので、上の判断をそのまま検索条件に書けます。
| 探したいもの | 条件 |
|---|---|
| 広告枠がまだ空いている | maxAdProducts |
| 需要が実在する | minPurchases または minPurchasesRate |
| 価格が制御できる | maxBid |
| 独占されていない | maxMonopolyClickRate |
| 自然では難しいが買う価値がある | minTitleDensity と maxAdProducts |
| ロングテール | minWordCount |
includeKeywords と excludeKeywords で語幹の絞り込みを重ね、filterRootWord で語幹ごとにまとめられます。
数千語を書き出して表で絞るよりはるかに効率がよく、呼び出し量も節約できます。絞り込みはサーバー側で行われ、返ってくるのはすでに候補群です。
出稿したあと
選定は入口にすぎません。しばらく回したら販売キーワード逆引きに戻り、conversionType の移動を見ます。I なら選び方が違い、E なら当たりです。
除外キーワードの選定は別の仕事です。Amazon 広告の除外キーワードの選び方を参照してください。
このデータにできない三つ
自社の広告レポートは取得できません。 実費、実 ACOS、検索語レポートはセラーセントラルの認可データです。ここにあるのは市場側の分布です。
出稿後の結果は予測できません。 示すのは語の競合構造であって、あなたの成績ではありません。転換率の違う二人が同じ語で同じ結果になることはありません。
リアルタイムではありません。 一定期間の統計です。選定の方針を決めるために使い、日中の調整には使わないでください。
よくある質問
一つの広告グループに何語入れるべきですか。 一律の数はありませんが、語が少ないほどどれが効いているか判別しやすくなります。数十語を一つにまとめると、回し終えてもどこに費用が向かったのか分かりません。
adProducts が低ければ必ず良いのですか。
そうとは限りません。まず purchases か purchaseRate がゼロでないか確認してください。出稿者が少ないのは、その語が売れないと既に他社が確かめたからかもしれません。
ブランド語に出稿すべきですか。 自社ブランド語はたいてい安く、転換も高くなります。他社ブランド語は規約上の境界に触れるため、規則を確認してから判断してください。本記事はその点について助言しません。
ロングテールは出稿する価値がありますか。
あります。特に maxAdProducts で絞り込んだ群では。単体の量は小さいものの競合密度が低く転換も精密になりやすいため、どの需要が実際に買うかの検証に向きます。