Amazon のニッチファインダーは、どれも中身は同じです。カテゴリーノードを一覧にして、いくつかの数字で絞り込めるようにしているだけです。ツールごとの違いは、フィルターをいくつ出しているかと、どこまで代わりに判断してくれるかにあります。
API を直接呼べば、隠れた判断はなくなります。信じるべき「チャンススコア」はなく、あるのは自分で決めたしきい値だけです。手間は増えますが、そのニッチがなぜ一覧に入っているのかを知る唯一の方法でもあります。
この記事で扱うのは、何で絞るか、返ってきた 1 行をどう読むか、そしてフィルターでは見えないものは何か、の 3 点です。1 つのカテゴリーを深く数値化するのは別の作業で、市場規模の数字はどこから来るのかで説明しています。この記事は、その作業に値するカテゴリーを決めるための最初の広い絞り込みです。
このデータでのニッチとは
市場リサーチエンドポイントは、月ごとにカテゴリーノード 1 つを 1 行で返します。1 行には約 100 個の集計フィールドがあり、よく絞り込まれるものは 4 つの問いに分けられます。
| 問い | 絞り込みに使うフィールド |
|---|---|
| 需要はあるか | minAvgUnits、maxAvgUnits、minTopAvgUnits、minAvgRevenue |
| 寡占されていないか | maxBrandCrn、maxSellerCrn、maxGoodsCrn、maxAmazonSelfProportion |
| 新しい出品が入り込めるか | minNewProportion、minNewCount、maxAvgRatings、newProduct(「新商品」の定義) |
| 利益が出るか | minAvgPrice、minAvgProfit、maxWeight、maxVolume |
min にはそれぞれ対応する max があるので、どのフィールドも下限、上限、範囲のどれにも使えます。maxBrandCrn や minAvgProfit のような割合のフィールドは 0〜100 のスケールです。ドキュメントの例は 0.45 や 0.2 ではなく 45 と 20 です。
nodeIdPath は検索をカテゴリーツリーの一部に限定します。ドキュメントのリクエストは 172282:281407 を使い、ドキュメントのレスポンス行は 172282:281407:17854127011:10967801 に属しているので、このパスは前方一致のように働き、1 回のリクエストで複数の階層のノードが返るようです。マーケットプレイスごとのパスは商品カテゴリーエンドポイントで調べてください。ノード ID はマーケットプレイスによって異なります。
4 つの問いを同時に投げるリクエスト
curl --request POST \
--url https://ecommercedataapi.com/v1/amazon/market/research \
--header "Content-Type: application/json" \
--header "X-API-Key: ${ECOMMERCE_DATA_API_KEY}" \
--data '{
"marketplace": "US",
"month": "202507",
"nodeIdPath": "172282:281407",
"minAvgUnits": 300,
"maxAvgUnits": 5000,
"maxBrandCrn": 40,
"maxAmazonSelfProportion": 10,
"minNewProportion": 10,
"maxAvgRatings": 3000,
"minAvgProfit": 25,
"page": 1,
"size": 50,
"order": { "field": "avgUnits", "desc": true }
}'数字はフィルターの形を示すための仮の値で、そのまま使うしきい値ではありません。「十分な需要」がどれくらいかは資金次第で、「レビューの壁が低い」がどれくらいかはレビューを集める速さ次第です。結果に自分の数字を説得されないよう、リクエストを実行する前に自分の数字を書き出しておいてください。
実務上の注意が 2 つあります。size の初期値は 50 で最大 200 なので、広いカテゴリーも数ページで見渡せます。month は yyyyMM を受け付け、省略すると直近 30 日が使われます。
1 行を読む
ドキュメントのレスポンスは Power Strips(電源タップ)の 1 行です。最初に見たいフィールドは次のとおりです。
| フィールド | 値 | 意味 |
|---|---|---|
totalProducts | 2815 | ノード配下の商品数 |
topProducts | 100 | 平均の計算に使われたサンプル数 |
avgUnits / avgRevenue | 14874 / 229732 | 商品 1 つあたりの月間販売数と売上(サンプル内) |
avgPrice | 17.83 | 平均価格 |
avgRatings | 10756 | 平均評価数:レビューの壁 |
brands / sellers | 45 / 45 | ブランド数 / セラー数 |
ebcProportion / fbaProportion | 91 / 96 | A+ コンテンツがある割合(%) / FBA で発送される割合(%) |
amazonSelfProportion | 3 | Amazon 自身が販売している割合(%) |
sellerNation / sellerProportion | CN / 86 | 最も多いセラー所在国とその割合 |
この行は、自分自身で検算できます。avgUnits にサンプル数を掛けると 14,874 × 100 = 1,487,400 で、四捨五入の範囲で totalUnits(1,487,414)と一致します。avgRevenue に 100 を掛けると 22,973,200 で、totalRevenue(22,973,201.92)と一致します。ここにある「avg」はすべて、ノードの 2,815 商品ではなく、100 商品のサンプルの平均です。 カテゴリーの上位を表しています。
同じ行から、さらに 2 つのことが読み取れます。
フィルターは互いに食い違います。 この行は需要が強い一方、avgRatings が 10,756 あるため、上の maxAvgRatings: 3000 を通りません。これは間違いではなく、フィルターが働いているということです。販売数が多くレビューの壁も低いという組み合わせはめったになく、条件を足すたびにトレードオフは厳しくなります。1 つずつ緩めて、どのニッチが新しく現れるかを記録してください。
avgPrice と 1 個あたりの売上は同じ量ではありません。 totalRevenue を totalUnits で割ると 15.45 で、avgPrice は 17.83 です。前者は各商品を販売数で重み付けしているので、多くの購入者が実際に支払う価格に近く、後者はエンドポイント自身の平均値で、前者と一致するとは限りません。
ニッチファインダーには見えないもの
上位は、カテゴリー全体ではありません。 サンプルは 2,815 のうちの上位 100 です。上位は健全でも下は空、あるいはその逆ということもあります。平均を信じる前に、サンプル数と totalProducts を見比べてください。
親ノードと子ノードは、重なった商品を表すことがあります。 1 つのパスの下へのリクエストは、ノードとそのサブノードを一緒に返すことがあり、それらの行は同じ商品を表しているかもしれません。行を足し合わせて市場規模にしないでください。
1 か月は 1 枚のスナップショットです。 7 月に絞ったニッチは、1 月には別の姿に見えます。季節性のある商品は、決める前に季節商品のリサーチで時間方向の形を確認してください。
利益は平均的な商品の数字で、あなたの商品のものではありません。 avgProfit の 60.3 はあなたの仕入れ原価を知りません。利益が出ないカテゴリーを外すために使い、利益率の予測としては使わないでください。販売数も推定値です。API の販売データで分かること、分からないことを参照してください。
リストから判断まで
絞り込みの結果は短くしてください。自分のフィルターを通った 10 個のニッチは、一度も見ていない 200 個より価値があります。
- 上の広い絞り込みを実行し、10〜20 行を残します。
- 残ったものの構造を、カテゴリー分析の 4 つの分布で確認します。
- 一括商品リサーチのワークフローで商品を取得し、レビューを読んでから決めます。
最初の絞り込みは AI エージェントに任せることもできます。同じエンドポイントはリモート MCP サーバーから使え、商品リサーチを AI エージェントに任せるでその会話の様子を紹介しています。
よくある質問
ニッチファインダーのツールと同じものですか? データは同じ種類です。違いは、フィルターとそのしきい値を自分で握れることと、クリックではなく定期実行で絞り込みを回せることです。
いちばん大事なフィルターはどれですか? 単独のものはありません。需要だけでレビューの壁のフィルターがなければ飽和したカテゴリーが見つかり、レビューの壁だけで需要がなければ空のカテゴリーが見つかります。価値は 2〜3 個を組み合わせ、それぞれが何を隠すかを知っていることにあります。
どのくらいの頻度で絞り込みをやり直しますか? 積極的に探しているときはデータの月が変わるたびに、そして発注の前にも。1 シーズンより古いニッチのリストは、もう過去の記録です。
アメリカ以外でも使えますか?
はい。marketplace は他のエンドポイントと同じ 13 のコードを受け付けます。ノード ID と価格は各国固有なので、しきい値を別のマーケットプレイスに持ち込まないでください。同じ分析はそのままでは通用しません。