データ分析ツールを選ぶとき、多くの人はデモを見て、機能一覧を比べ、人に勧めを聞きます。この 3 つには共通の問題があります。言っていることが正しいかを確かめられないことです。デモの数字の本当の答えは知らないし、機能一覧はツールが何を計算するかは語っても、どれだけ正確かは語りません。
この記事が扱うのは 1 つだけです。答えをすでに知っているデータでツールを試す方法です。Amazon のデータツールならどの種類にも使えます。特定の種類のツールの選び方は個別の記事にあります——商品リサーチツール、キーワードツール、ASIN リバース検索ツール。分析そのもののやり方は事実・推定・判断を分けるにあります。
まず、何をさせたいのかをはっきりさせる
同じ「データ分析ツール」でも、やっていることは性質の違う 3 種類かもしれません。
| 種類 | 代わりにやってくれること | 検証できるか |
|---|---|---|
| 収集 | 見えているフィールド(価格、評価、レビュー数、BSR)を表にまとめる | 簡単:商品ページを開けば照合できる |
| 推定 | 見えるフィールドから見えない数値(販売数、売上、検索数)を算出する | 難しい:Amazon は本当の値を公表していない |
| 判断 | 推定の上に結論を載せる(「この商品はやる価値がある」) | 最も難しい:結論に推定とツール独自のルールが混ざる |
収集は 1 分で確かめられ、判断のルールはたいてい見えません。手間をかけて試す価値があるのは推定の層です。 その上のすべての判断の土台であり、しかもあなたはちょうど答え合わせの材料を持っています。
最も効果的な 1 回のテスト:答えを知っている ASIN で試す
自社の ASIN には実際の販売数があります。セラーセントラルのビジネスレポートは子 ASIN ごとの注文された商品数を示します。記録された実績値であり、推定ではありません。
同じ ASIN をツールに入れ、同じ期間の販売数の推定値を取り、比べます。それで、あなたのカテゴリー・価格帯でそのツールがどれくらいずれるかが分かります。このサイトを例にすると、ASIN Sales Estimate エンドポイントは月ごとの monthItemList(各項目に date、sales、amount)と日ごとの dailyItemList(その日の bsr と price が加わる)を返します。
curl --request POST \
--url https://ecommercedataapi.com/v1/amazon/sales/prediction/asin \
--header "Content-Type: application/json" \
--header "X-API-Key: ${ECOMMERCE_DATA_API_KEY}" \
--data '{
"marketplace": "US",
"asin": "B08CK5Z5Q1"
}'比べる前に条件をそろえてください。そろえないと、測った差は自分で作ったものになります。
- 同じ子 ASIN で比べる。 親単位の推定はバリエーション全体を数えますが、セラーセントラルの数値は子 1 つ分です。
- 同じマーケットプレイスを、明示的に指定する。 このエンドポイントの
marketplaceは省略するとUSになります。欧州や日本を調べるときに書き忘れると、エラーなしで米国の数値が返ってきます。マーケットプレイスの落とし穴の一覧は米国・日本・欧州での商品リサーチにあります。 - 日ではなく月で比べる。 1 日単位の推定は振れが大きく、注文と同じ日に計上されるとも限りません。月の合計のほうがツール自体の偏りをよく表します。
3 つを読む:方向、大きさ、順位
「どれだけずれたか」だけで終わらせず、3 つの観点で読んでください。
方向: いつも高めか、いつも低めか。安定した偏りは補正できます。たいてい 3 割ほど多めに出ると分かっていれば、頭の中で割り引けます。上下にぶれるのが本当の問題です。
大きさ: ずれはどれくらいで、販売数の水準によって変わらないか。売れ筋はかなり正確で、ロングテールは大きくずれる(またはその逆)というのはよくあるパターンです。それによって、あなたが見たい価格帯と順位の範囲で使えるかが決まります。
順位: ASIN が複数あるなら、ツールが付ける順番と実際の販売数の順番が一致するかを見てください。商品リサーチや競合分析で必要なのは、たいてい「どちらが多く売れているか」であって、「正確に何個売れたか」ではありません。 絶対値はずれていても順位が安定しているツールは、比較の用途には十分使えます。順位すら合わないツールは、数値がどれほどもっともらしく見えても比較に使うべきではありません。
1〜2 個の ASIN でモデル全体は校正できません。誤差はカテゴリーや順位の範囲で変わります。順位の異なる ASIN が複数あるのが理想です。1 つしかなければ、結論を「このカテゴリー、この量感では、だいたいこれくらいずれる」にとどめてください。
次に、定義について 4 つ確認する
校正が答えるのは「正確か」です。次の 4 つは「正しく読めているか」に答えます。それぞれ個別の記事があります。
- 表示されている「検索数」はどの種類か。 1 つのレスポンスに、月間の全体検索数、週次の順位、1 商品の推定露出など、検索数に見えるフィールドが複数あることがあります。キーワードツールの選び方を参照してください。
- マーケットプレイスを省略したらどうなるか。 黙って既定値に戻るのは、エラーよりずっと危険です。マーケットプレイスのパラメーターを参照してください。
- 比率のフィールドはパーセントか小数か。 1 つのデータセットに両方の表記が混在するのは珍しくありません。市場規模の数値はどう算出されるかを参照してください。
- どの数値が推定値かを示しているか。 フィールド名、説明、ドキュメントから、数値が推定であると分かるか。Amazon の販売データで分かること・分からないことを参照してください。
生データを取り出せるか
画面のグラフは見るためのものです。行単位の生データがあってこそ、自分で計算し、比べ、セラーセントラルのデータと突き合わせられます。3 つ確認してください。
- 行単位のデータを書き出せるか。 集計グラフだけではないか。
- フィールドが文書化されているか。 各フィールドの意味、型、単位がどこに書いてあるか。
- API があるか。 毎回手で書き出すのではなく、決まった定義で定期的に取得できるか。
このサイトは 3 つとも公開側に置いています。46 のエンドポイントはAPI カタログに並び、フィールド・型・例は各エンドポイントのページにあり、機械可読な完全定義は OpenAPI にあります。支払う前にすべてのフィールド定義を読み、自分の定義に合うかを判断できます。
料金は自分の使い方で計算する
同じ予算でも、料金体系によってできることは大きく変わります。
- アカウント・席単位のサブスクリプション:複数人が毎日手作業で見る用途に向きます。
- 呼び出し単位の料金:定期ジョブや一括比較に向き、使った分だけ払います。
このサイトは後者です。コールパックを一度購入し、すべての公開エンドポイントが同じ残高を使い、席単位の料金はありません。パックの規模は料金にあります。どちらが安いかを判断するには、まず毎月実際に何回照会するかを見積もってください。単価を比べるより役に立ちます。
どのツールにもできない 3 つのこと
Amazon が公表していない値を出すこと。 競合の実際の販売数や実際の転換率は、その出品者のセラーセントラルの中にしかありません。どのツールも出すのは推定値で、違いはその出来と、正直に表示しているかどうかです。
進めるかどうかを代わりに決めること。 データをどれだけ分かりやすく並べても、ツールはあなたのサプライチェーン、資金、実行力を知りません。
今日の校正がずっと通用すると保証すること。 プラットフォームもカテゴリーも変わり、モデルも更新されます。重要な判断の前には、自社の ASIN でもう一度比べる価値があります。
よくある質問
まだ販売していないので、自分の ASIN がありません。どう校正すればいいですか? すでに販売している知人や取引先に、1〜2 個の ASIN のセラーセントラルの数値を見せてもらってください。それも難しければ、順位の妥当性で確かめます。どちらが多く売れているかが常識的にはっきり分かる商品をいくつか選び、ツールの順番がそれと合うかを見てください。
2 つのツールの販売数が 2 倍違います。どちらを信じるべきですか? どちらも直接は信じないでください。答えを知っている ASIN でそれぞれを試し、方向と順位がより安定しているほうを見ます。2 倍の差自体はよくあることで、推定の方法や定義が違うためです。Amazon データ分析のやり方を参照してください。
推定の誤差はどこまでなら許容できますか? 用途によります。比較の用途(順位付け、上位の選定)は絶対的な誤差には鈍く、順位には敏感です。発注数量のように絶対数が必要な用途では、そもそも推定値をそのまま使うべきではありません。
無料ツールも試す価値はありますか? あります。方法はまったく同じです。無料と有料の違いは、1 つの推定の正確さよりも、データの範囲、履歴の長さ、一括取得できるかどうかにあることが多いです。そもそも無料で手に入るデータについては無料で手に入る Amazon データの限界にあります。